岩手遺言・相続相談センター
田村行政書士事務所
岩手家系図作成センター
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遺言の執行・遺言執行者について
①遺言の執行とは
②遺言執行者とは
③遺言事項(遺言で実行できること)
④遺言書で遺言執行者が指定されているとき
⑤遺言執行者の指定がないとき
⑥遺言執行者の権限と職務
① 遺言の執行とは
遺言書の検認を受けて遺言の効力が発生した後で、その遺言書の内容を
実現する手続きのことを「遺言の執行」といいます。
② 遺言執行者とは
遺言書の内容を具体的に実現する人のことを「遺言執行者」と
いいます。遺言執行者には、遺言で指定されている場合と必要に応じて
家庭裁判所から選任される場合とがあります。
③ 遺言事項(遺言で実現できること)
執行行為が必要 な遺言事項 (1)遺言執行者だけが執行できる遺言事項 ①認知 ②相続人の排除又はその取り消し
(2)遺言執行者以外でも執行できる遺言事項 ③遺贈 ④一般社団法人の設立 ⑤信託の設定 ⑥祭祀承継者の指定 ⑦生命保険受取人の指定・変更 |
執行行為は不要 とされる遺言事項 ⑧相続分の指定・指定の取り消し ⑩遺産分割方法の指定・指定の委託 ⑪遺産分割の禁止 ⑫相続人担保責任の指定 ⑬遺留分減殺方法の指定 ⑭未成年後見人・未成年後見監督人の指定 ⑮遺言執行者の指定・指定の委託 ⑯遺言の撤回 |
①と②の場合
遺言書にこのような記載があるときには、必ず遺言執行者が行うことと
されています。従って、遺言で執行者が指定されていない時には、家庭裁判所
に「遺言執行者選任の申立」を行う必要があります。
③〜⑦の場合
このような記載があるときは、指定された遺言執行者がいるときには、その
遺言執行者が執行しますが、指定がないときには、共同相続人が協力して執行
することになります。共同相続人が執行できない場合には、家庭裁判所に、遺
言執行者を選任してもらうこともできます。
⑧〜⑯の場合
遺言書にこのような記載があっても、被相続人の死亡と同時に遺言の効力
が発生し遺言事項が実現するので、執行行為は特に必要としません。
④ 遺言書に遺言執行者が指定されているとき
遺言書に遺言執行者の指定があるときは、その遺言執行者が遺言の内容に
従って遺言内容を実現することになります。遺言で遺産の分割方法の指定が
されているときには、遺言執行者は指定のとおり分割しなければなりません。
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の権利義務
を持っていますので、遺言で遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行
者以外の相続人等は、遺言事項を執行することできません。また、勝手に行
っても無効となります。
⑤ 遺言執行者の指定がないとき
遺言で、遺言執行者の指定がないとき、または指定があっても既に亡くな
っているとき、あるいは指定された遺言執行者が辞退したときには、遺言事
項の内容により、必要に応じて、家庭裁判所に申し立てて遺言執行者を選ん
でもらうことができます。
遺言内容により必ず遺言執行者選任の申立をしなければならない時以外で
も、遺言があるにもかかわらず遺言執行者がいないために相続人の協力が得
られず遺言内容が実現できない、ということもあります。このような場合には、
家庭裁判所に遺言執行者選任の申立をすることによって遺言執行がスムーズに
いくことがありますので、申立を検討してみましょう。
⑥ 遺言執行者の権限と職務
1)遺言執行者の権限
民法で、遺言執行者は相続財産の管理その他遺産の執行に必要な一切の
行為をする権限義務を有するとされています。
このように、遺言執行者には、相続財産について排他的な管理権限が与
えられており、それに反する相続人の行為(例えば処分行為)は無効とされ
ています。ただし、非常に強力な権限がある一方で、遺言執行については
大きな責任を負います。
2)遺言執行者の主な職務
① 相続人等の利害関係人への連絡(遺言者と権利義務を有
する利害関係人)
② 相続財産目録の作成と交付
③ 相続財産の把握と管理
④ 受遺者がいる場合の、遺贈の意思の確認
⑤ 遺言の内容に従って名義変更等を行う
遺言執行者に指定された者又は家庭裁判所で選任された者は、まず、
遺言書の存在と遺言執行者に指定又は選任されたことを、相続人その他の
利害関係人(相続人、受遺者、金融機関、相続財産の管理者、遺言者の債
権者・債務者など)に通知しなければなりません。
その通知の際、遺言執行者の権限(相続人等は相続財産の処分や管理が
できないこと、また処分等が行われてもその行為は無効になることなど)
について事前に説明しておきましょう。これが、遺言執行をスムーズにす
すめるためのポイントです。
なぜなら、遺言書の存在や遺言執行者の指定の有無について、相続人な
どが知らないでいることがあるからです。そのためにも、遺言執行者の権限
については早めに通知して理解してもらうことが大切です。
また、相続財産の存否とともに、相続財産の管理者がいる場合には、状況
をみて相続財産の引渡しを受けて管理しておく必要もでてきます。
さらに受遺者がいる場合には、遺贈を受けるか否か、その意思を確認しな
ければなりません。受遺者は遺言者の死亡後はいつでも遺贈を放棄できるの
で、遺言執行者としては、遺贈を受けるか否かその意思を受遺者から確認し
ておく必要があります。 その上で、遺言事項の内容に従い、遺言執行者の権
限にもとづき、認知の届出、相続人の廃除、遺贈、遺産の名義変更など具体
的に遺言事項を執行することになります。
☑遺言の通りに相続したくないときはどうなるか
遺言者の意思は尊重されるべきですが、相続人全員の合意があれば、別途、
遺産分割することは可能です。ただし、遺言執行者が指定されているときは問
題がでてきます。
☑遺言書の通りに相続できない場合がある
①遺言書で相続分の指定があった場合には、法定相続分よりも優先されますが、
その指定をおこなったために他の相続人の遺留分をを侵害し、遺留分権利者
から減殺請求されると、指定された相続分の通りには相続できなくなり、侵
害した部分については、遺留分権利者への返還義務が生じます。
②遺言書を偽造・変造・破棄し、又は隠匿した者は相続人となることができま
せん(相続欠格者)。また、 遺贈も受けることも出来ません。(遺贈欠格
者)
■遺言執行者選任の申立手続き
申立先 | 遺言者の最後の住所地の家庭裁判所 |
申立人 | 利害関係人(相続人、遺言者の債権者、遺贈を受けた者など) |
必要書類 | ① 遺言執行者選任のための「家事審判申立書」 ② 申立人の戸籍謄本 ③ 遺言者の戸籍(除籍)謄本 ④ 遺言執行者候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書※ 成年後見登記事項証明書※ ⑤ 利害関係を証する資料 ⑥ 遺言書の写し |
費用 | 遺言書1通につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手 |
※ 身分証明書・・遺言執行者候補者の本籍地の市区町村長が発行する、破産宣
告を受けていない旨の証明書
※ 成年後見登記事項証明書・・法務局が発行する、後見開始の審判を受けて
いないか、あるいは、既に受けているかにつ
いての証明書
★ ワンポイントアドバイス |
①遺言書が見つかったときには、執行(遺言事項を実現する行為)をスムーズ
に進めるためにも、できるだけ早く検認を受けましょう。
※遺言書の検認が終了するまで1か月以上かかることが多いので注意!
②遺言執行をできるだけ早く済ませたい場合は、遺言事項の内容に応じて、家庭
裁判所に遺言執行者を選んでもらうことも選択肢の一つ。
※遺言執行者は、遺言を執行のための強力な権限義務を持っている!
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