遺言の執行|岩手遺言・相続相談センター

遺言の執行・遺言執行者について   

@遺言の執行とは

A遺言執行者とは

B遺言事項(遺言で実行できること)

C遺言書で遺言執行者が指定されているとき

D遺言執行者の指定がないとき

E遺言執行者の権限と職務

 


遺言の執行とは 

 遺言書の検認を受けて遺言の効力が発生した後で、その遺言書の

内容を実現する手続きのことを「遺言の執行」といいます。 

 


遺言執行者とは

 遺言書の内容を具体的に実現する人のことを「遺言執行者」

いいます。遺言執行者には、遺言で指定されている場合と必要に

応じて家庭裁判所から選任される場合とがあります。 

 

 

遺言事項(遺言で実現できること)

 執行行為が必要 な遺言事項

(1)遺言執行者だけが執行できる遺言事項

  @認知

  A相続人の排除又はその取り消し


(2)遺言執行者以外でも執行できる遺言事項

  B遺贈

  C一般社団法人の設立

  D信託の設定

  E祭祀承継者の指定

  F生命保険受取人の指定・変更

 執行行為は不要 とされる遺言事項

  G相続分の指定・指定の取り消し

  I遺産分割方法の指定・指定の委託

  J遺産分割の禁止

  K相続人担保責任の指定

  L遺留分減殺方法の指定

  M未成年後見人・未成年後見監督人の指定

  N遺言執行者の指定・指定の委託

  O遺言の撤回 

 

@とA 

 遺言書にこのような記載があるときには、必ず遺言執行者が行

 うこととされています。従って、遺言で執行者が指定されてい

 ないときには、家庭裁判所に「遺言執行者選任の申立」を行う

 必要があります。

 

B〜F 

 このような記載があるときは、指定された遺言執行者がいると

 きには、その遺言執行者が執行しますが、指定がないときには、

 共同相続人協力して執行することになります。共同相続人が

 執行できない場合には、家庭裁判所に、遺言執行者を選任して

 もらうこともできます。

 

G〜O 

 遺言書にこのような記載があっても、被相続人の死亡と同時に

 遺言の効力が発生し遺言事項が実現するので、執行行為は特に

 必要としません

 

遺言書に遺言執行者が指定されているとき

 遺言書に遺言執行者の指定があるときは、その遺言執行者が

の内容に従って遺言内容を実現することになります。

 また、遺言で遺産の分割方法の指定がされているときには、遺

言執行者は指定のとおり分割しなければなりません。

 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切

権利義務を持ていますので、遺言で遺言執行者が指定されて

いる場合は、遺言執行者以外の相続人は、遺言事項を執行する

ことできません。また、勝手に行っても無効となります。

 

遺言執行者の指定がないとき

 遺言で、遺言執行者の指定がないとき、または指定があっても

 既に亡くなっているとき、あるいは指定された遺言執行者が辞退

したときには、遺言事項の内容により、必要に応じて、家庭裁判

所に申し立てて遺言執行者を選んでもらうことができます。 

 

 遺言内容により必ず遺言執行者選任の申立をしなければなら

い時以外でも、遺言があるにもかかわらず遺言執行者がいないた

めに相続人の協力が得られず遺言内容が実現できない、というこ

ともあります。このような場合には、家庭裁判所に遺言執行者選

任の申立をすることによって遺言執行がスムーズにいくことがあ

りますので、申立を検討してみましょう。

 

 

遺言執行者の権限と職務

1)遺言執行者の権限 

 民法で、遺言執行者は相続財産の管理その他遺産の執行に必要

一切の行為をする権限義務を有するとされています。

  このように、遺言執行者には、相続財産について排他的な管理

権限が与えられており、それに反する相続人の行為(例えば処分

行為)は無効とされています。

 

 ただし、非常に強力な権限がある一方で、遺言執行については

大きな責任を負います。


2)遺言執行者の主な職務

 @ 相続人等の利害関係人への連絡(遺言者と権利義務を有

    する利害関係人) 

 A 相続財産目録の作成と交付

 B 相続財産の把握と管理

 C 受遺者がいる場合の、遺贈の意思の確認

 D 遺言の内容に従って名義変更等を行う

 

 遺言執行者に指定された者又は家庭裁判所で選任された者は、

 まず、遺言書の存在と遺言執行者に指定又は選任されたことを、

相続人その他の利害関係人(相続人、受遺者、金融機関、相続

産の管理者、遺言者の債権者・債務者など)に通知しなければ

りません。

 

 その通知の際、遺言執行者の権限(相続人等は相続財産の処分

 管理ができないこと、また処分等が行われてもその行為は無効

になることなど)について事前に説明しておきましょう。これが、

遺言執行をスムーズにすすめるためのポイントです。

 なぜなら、遺言書の存在や遺言執行者の指定の有無について、

 相続人などが知らないでいることがあるからです。

 そのためにも、遺言執行者の権限については早めに通知して

してもらうことが大切です。 

 

 また、相続財産の存否とともに、相続財産の管理者がいる場合

 には、状況をみて相続財産の引渡しを受けて管理しておく必要も

でてきます。

 

 さらに受遺者がいる場合には、遺贈を受けるか否か、その意思

 確認しなければなりません。

 受遺者は遺言者の死亡後はいつでも遺贈を放棄できるので、

言執行者としては、遺贈を受けるか否かその意思を受遺者から

認しておく必要があります その上で、遺言事項の内容に従い、

遺言執行者の権限にもとづき、認知の届出、相続人の廃除、遺

贈、遺産の名義変更など具体的に遺言を執行することになります。

 

☆遺言の通りに相続したくないときは・・・・・

 遺言者の意思は尊重されるべきですが、相続人全員の合意が

れば、別途、遺産分割することは可能です。

 ただし、遺言執行者が指定されているときは問題がでてきます。

 

☆遺言書の通りに相続できない場合があります

@ 遺言書で相続分の指定があった場合には、法定相続分より

 優先されますが、その指定をおこなったために他の相続人の遺

 留分を侵害し、遺留分権利者から減殺請求されると、指定さ

 れた相続分の通りには相続できなくなり、侵害した部分につい

 ては、遺留分権利者への返還義務が生じます。           

        

A 遺言書を偽造・変造・破棄し、又は隠匿した者は相続人とな

  ることができません(相続欠格者)。 

  遺贈も受けることも出来ません(遺贈欠格者)。

  遺留分とは

 

 <遺言執行者選任の申立手続き>

 申立先   遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
 申立人  利害関係人(相続人、遺言者の債権者、遺贈を受けた者など)
必要書類

@ 遺言執行者選任のための「家事審判申立書」

A 申立人の戸籍謄本

B 遺言者の戸籍(除籍)謄本

C 遺言執行者候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書

    成年後見登記事項証明書

D 利害関係を証する資料

E 遺言書の写し 

 費用

 遺言書1通につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手

 

 ※ 身分証明書・・・・遺言執行者候補者の本籍地の市区町村長が発行する、

        破産宣告を受けていない旨の証明書

  成年後見登記事項証明書・・・・法務局が発行する、後見開始の審判を受

        けていないか、あるいは、既に受けているかについての証明書

 

 ★ ワンポイントアドバイス

@遺言書が見つかったときには、執行(遺言事項を実現する行為)

 をスムーズに進めるためにも、できるだけ早く検認を受けまし

 ょう。 

 

 ※遺言書の検認が終了するまで1か月以上かかることが多い。


A遺言執行をできるだけ早く済ませたい場合は、遺言事項の内容

 に応じて、家庭裁判所に遺言執行者を選んでもらうことも選択

 肢の一つ。  

 

 遺言執行者は、遺言を執行のための強力な権限義務を持

  いる。

         岩手・遺言相続相談センタ―

         相続専門 田村行政書士事務所 

        電話 019ー697ー6841