岩手遺言・相続相談センター
田村行政書士事務所
岩手家系図作成センター
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定休日 | 土・日曜日、祝日 ※事前連絡の場合は 時間外・休業日でも対応します |
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1)農地の相続と農地法3条許可・届出の必要性 ※法改正有
2)農地の相続と相続税
3)農地の相続と相続税の納税猶予制度 ※法改正有
1) 農地の相続と農地法3条許可・届出の必要性? |
■ 農地を相続したときには、農地法上の許可が必要か?
遺産相続によって農地を取得した場合には、農地法3条(農地
の権利移動等)に基づく許可(農業委員会または県知事)を受け
る必要はありません。
農地法3条によって、耕作目的のために、売買や贈与により農
地の所有権を移転したり、農地に賃借権や使用貸借権を設定した
りするには、農業委員会又は県知事の許可が必要になります。
許可を受けないで農地を売買したり、貸し借りしても無効とな
ります。
しかし、「相続」は、“所有権を新規に取得する”という扱いでは
なく、“被相続人の死亡により相続人がその権利義務を承継する”
というものであり、一般の売買、貸借等のように権利の移転や設
定のための法律行為がありません。
そのため、農地の「相続」によって、「権利の取得」にはなりま
すが農地法(3条)上の制限(許可)は受けません。許可を受け
ることなく、「所有権移転登記」をすることができます。
(農地を売買等によって「所有権移転登記」をするときには、農
地法3条に基づく許可を受けて交付される「許可指令書」の添付
を要求されます)
<改正農地法>H21年12月15日施行
■ 農地を相続した場合、新しく「届出」が必要となりました!
相続等により許可を受けることなく農地の権利を取得した者は、
農業委員会に、新しく「届出」をしなければなりません。
農業委員会は、届出を受理した後で、農地の適正利用が図られ
るようにあっせんなどを行います。
ただし、この届出は、権利取得の効力を発生させるものではな
いとされています。
〇 農地法第3条の3第1項の規定による届出
届出人 | 相続等により農地を取得した人 |
届出期限 | 農地取得を知った日から概ね10ヶ月以内 |
届出先 | 農地が所属している農業委員会 |
罰則規定 | 届出をしなかったり、虚偽の届出をした場合には、10万円以下の 過料に処せられます |
◎所有者が農地を有効に利用できない場合には、農業委員会が利
用のための「あっせん等」を行うことになっています。
(届出書にあっせん等の希望の有無を記載)
◎「届出書」は、農業委員会の窓口に用意してあります。
〇届出書の必要記載事項(農地法第3条の3第1項の規定による届出書)
1、権利を取得した者の氏名・住所
2、届出に係わる土地の所在等
所在・地番、地目(登記簿・現況)、面積、備考
3、権利を取得した日
4、権利を取得した事由
5、取得した権利の種類及び内容
6、農業委員会によるあっせん等の希望の有無
〇農業委員会への 「届出」 を要するもの
<許可を受ける必要のない権利取得の届出制度>
相続(遺産分割及び包括遺贈を含む)
法人の合併・分割
時効取得 など
<遺言相続と法定相続>
① 遺言相続〜遺言で指定して相続させる場合
・相続分の指定⇒遺言で、相続分の割合を指定して相続させる方法
(例えば、特定の相続人に対して、遺産の3分の1を相続させる)
・遺産分割方法の指定⇒遺言で、財産を特定して特定の相続人に相
続させる方法。
(例えば、Aの畑はBに相続させる)
② 法定相続〜遺言が無い場合
・遺言が無い場合、民法の規定によって、相続人全員で分割協議を
して、誰が、どの財産を、どれだけ取得するか決めることになります。
2) 農地の相続 と 相続税 |
◎相続によって農地を取得した時には、一般の土地と同様、相続税が
課税されます。
農地の評価
区分 | 評価方法 | おおまかな目安 |
純農地 | 倍率方式 | 原則、市街化調整区域内農地 |
中間農地 | ||
市街化周辺農地 | 宅地比準方式 × 80% (又は倍率方式) | |
市街化農地 | 宅地比準方式 (又は倍率方式) | 原則、市街化農地 |
■ 評価の方法
倍率方式・・・・その農地の固定資産税評価額に一定の
倍率(※)を掛けて評価額を求めます。
評価額=固定資産税評価額 × 倍率
※ 倍率⇒評価倍率表で調べることができます(所轄税務署、
国税庁のHPで)
宅地、田、畑、山林、原野に分かれて倍率が表示されています。
倍率が表示されていない場合には、「周比準」「比準」と表示され、宅地比準
方式で計算します。
宅地比準方式・その農地を宅地とみなした場合の価額(※1)
から、その農地を宅地に転用する場合にかかる
造成費(※2)を控除して評価する方法。
評価額=(宅地とみなした場合の1㎡あたりの価額−1㎡あたりの造成費)
× 地積
※1・・・その農が地路線価地域にあるときには路線価で評価し、倍率
地域にある場合には評価する農地に最も近くかつ似ている
宅地の評価額をもとに計算します。
※2・・・国税局が地域ごとに定めている(所轄の税務署、国税庁のHPで)
相続税の計算
<相続税の基礎控除額>
基礎控除額=3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数(※)
※法定相続人とは、相続放棄した相続人の有無にかかわらず、すべての法定相続
人についていいます。
例えば、法定相続人が2人であれば、4,200万円になり、5人のときは、
6,000万円になります。
<相続税の税率>
基礎控除後の課税遺産額は、法定相続人が法定相続分で取得したものとして
各自の取得金額を算出し、この金額に対して一定の税率を掛けて計算します。
相続税の税率は、次のように6段階の超過累進税率になっています。
10%から最高50%まであり、「速算表」によって簡単に計算できます。
ただし、これによって出した税額は、仮の税額(法定相続分で分けたと仮定した
場合の計算)ですので、各人別の分を合計し、最終的には、実際に遺産を分配した
割合であん分し、各相続人の相続税額を算出します。
参考:相続税の速算表
基礎控除後の各法定相続人の 取得金額 | 相続税率 | 控除額 |
1,000万円以下 1,000万円超〜3,000万円以下 3,000万円超〜5,000万円以下 5,000万円超〜1億円以下 1億円超〜2億円以下 2億円超〜3億円以下 3億円超〜6億円以下 6億円超 | 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55% | − 50万円 200万円 700万円 1,700万円 2,700万円 4,200万円 7,200万円 |
この表に基づいて、各相続人ごとに仮の税額を出し合計したものが、相続税の総額
になります。
<各相続人ごとの相続税額>
各相続人ごとの相続税額は、前記によって算出した相続税の総額を、課税価格の
合計額(基礎控除前の相続財産の総額)に対するその人の課税価格の比によって
配分した金額になります。
各相続人の税額=相続税の総額 × その人のあん分割合
◎計算手順
① あん分割合=その人の課税価格(実際に取得した財産額)÷ 課税価格の
合計額(基礎控除前の相続財産総額)
② その人の相続税額=相続税の総額(各相続人の仮の税額を合計した相続
税の総額)× その人のあん分割合
相続税の計算の手順
(最初に相続税の総額を算出する)
1) 課税価格の合計額を計算します (相続や遺贈によって財産を取得した各人の課税価格を合計する) |
↓
2) 基礎控除額を計算します |
↓
3) 課税遺産額を計算します (課税価格の合計額ー基礎控除額) |
↓
4) 各相続人の法定相続分に応ずる取得金額を計算します |
↓
5) 各相続人ごとに速算表により仮の税額を計算し合計します =相続税の総額 |
↓
(相続人個々の税額を算出する)
6) 各相続人のあん分割合を計算します (その人の課税価格÷課税価格の合計額) |
↓
7) 各相続人の税額を計算します (相続税の総額×あん分割合) |
農業相続人が農地等を相続によって取得した場合
には、一定の条件のもとに、相続税の納税を猶予するという制度が
設けられています。
3) 農地の相続 と 相続税の納税猶予制度 |
■制度の概要
この制度は、農家において、相続による農地の細分化を防止し、
農業後継者の育成を図る目的で設けられました。
農地等を相続又は遺贈により取得した相続人が、継続して農業を
行う場合に、農地等の価格のうち 農業投資価格を超える部分に対
応する相続税については、一定の要件に該当する場合には、納税
猶予期限まで相続税の納税が猶予されるとともに、猶予された相
続税は原則として免除されるという制度です。
ただし、この適用を受けるためには、税務署に申請・申告する必
要があります。
※農業投資価格とは
農地等が恒久的に農業の用に供されるとした場合の通常成立する
と認められる取引価格(国税局長が定めている)
〇ポイント
①農業相続人は一定の相続税をとりあえず猶予されます。
②猶予された相続税については、農業相続人が死亡した日、20年
目を経過した日、農業相続人が農地等を一括贈与した日、のいず
れか早い日に初めて免除されることになります。
③免除される前に、農地を譲渡したり、転用したりすると、納税を
猶予されていた相続税とその利子税を合わせて納付しなければな
りません。
■納税猶予を受けることが出来る人 納税猶予適格要件
次の要件に該当していることを、農業委員会が証明した相続人
にかぎられます。
①被相続人が死亡の日までに農業経営を行っていた場合、または、
相続人に生前に一括贈与をした場合 ※被相続人は個人に限る
②農業相続人が、被相続人から相続または遺贈によって取得した
農地について相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後
引き続いて農業経営を行うものと認められる場合
以上の要件に該当していることを、農業委員会に証明してもらう
必要があります。
■対象となる農地等とは
「農地等」〜農地、採草放牧地及び準農地で、これらの上に存す
る耕作権も含まれる。(市街化区域においては、生産
緑地地区内に所在する農地のみ適用)
〇被相続人から相続または遺贈によって取得した農地等である
こと
〇申告期限内に遺産分割協議によって分割された農地等である
こと
〇被相続人が農業の用に供していたものであること
■いつまで納税が猶予されるか
納税が猶予される期限は、次のうちいずれか早い日
①農地を相続した農業相続人が死亡した日
②農業相続人が、贈与税の納税猶予が認められる生前一括贈与
をした日
③相続税の申告期限後、20年間農業を継続した、その20年
目の日
■納税猶予期限前に猶予期限が確定する場合がある
納税猶予期限が到来する前に、相続税の納税猶予の適用を受けた
農地等を譲渡したり転用した場合、あるいは農業を営まなくなった
場合には、その時点で納税猶予に係る期限が確定してしまいます。
これにより、納税の猶予を受けていた相続税の全部または一部
を納付しなければなりません。さらに、原則、利子税も納付する
必要が出てきます。
従って、相続税の負担を軽くしたいということだけを考えて適
用を受けるのではなく、生涯、農業を続けるという強固な意志が
必要です。
<改正農地法>H21年12月15日施行
〇 農地の相続税納税猶予制度の適用の拡大
これまでの相続税納税猶予制度においては、相続人自らが農業
を営むことを前提に、農地を貸すと納税猶予が打ち切りになって
いましたが、改正により「農業経営基盤強化促進法」に基づいて
農地を貸した場合には、相続税納税猶予が継続することになりま
した(市街化区域内農地は除く)。
ただし、納税免除の条件がこれまで20年間自作することでした
が、この改正により農地を貸した場合には、農地としての利用を
終身継続する必要がありますので注意が必要です。
■農地の相続税について、納税猶予をうけるための手順
<申告の手続き>
①この納税猶予を受けるためには、一定の要件を備えることが
必要 です
(納税猶予を受けることができる人、対象となる農地等)
※制度の詳細については国税局のHPを参考に してください
↓
②農業委員会から「相続税納税猶予適格者証明書」を受ける
↓
③税務署へ、相続税の納税猶予を受けるために、申請・申告
する
(農業委員会発行の「適格者証明」を提出)※申告期限までに
↓
<継続の手続き>
④3年ごとに、税務署より農業委員会発行の「引き続き農業経
営を行っている旨の証明書」の提出を求められます
↓
⑤農業委員会へ「証明書」の交付申請をする(申請から交付ま
で、約20日、締切日が決まっています)
↓
⑥「証明書」の交付を受けて税務署に提出する
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