岩手遺言・相続相談センター
田村行政書士事務所
岩手家系図作成センター
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1) 農地法3条の許可を必要とする場合とは?
2) 農地法3条の許可権者は? 手続きは?
3) 農地法3条の許可基準は? ※ 法改正有
4) 農地法3条の許可が不要とされる場合とは?
5) 農地法3条の許可申請に必要な書類は?
※ 平成21年12月から「新たな農地制度」がスタートしました(法改正)
1) 農地法3条の許可が必要となる場合 |
一般的に土地を売買するときには、売主と飼い主が売買契約をして、買主が代
金を支払い土地の所有権を取得します。
しかし、農地を耕作目的で売買する場合や賃貸する場合等、権利の移転や権
利の設定を行う場合には、当事者(譲渡人、譲受人)は、農業委員会の許可を
受ける必要があります。
農地を耕作目的で、所有権を移転(売買・交換・贈与・特定遺贈等により)
したり、使用及び収益を目的とする権利(地上権・永小作権・質権・賃借権・
使用貸借による権利等)を設定したり、移転する場合は、農地法3条の許可が
必要です。
農地法は、農地を耕作する目的で売買や貸し借りを行う際に一定の規制をする
ことで、農地が資産保有目的あるいは投機目的の対象として、農業者以外の者に
取得されないようにしています。また、農地が生産性の高い農業経営者によって
利用されることによって、農業生産力の維持・拡大を図っています。
この許可を受けないでした行為は、その効力を生じません。無効です。
従って、「許可指令書」が無いと農地の所有権移転登記が出来ませんし、許可
を受けないで売買や賃借したりすると、農地法92条により罰せられることがあ
りますので注意が必要です。
耕作する目的ではなく、転用の場合には、農地法5条に基づく許可が必要とな
ります。
2) 農地法3条の許可権者 許可申請の手続き |
<許可権者>
岩手県においては、農地法3条の許可権者は農業委員会になっています。
参考:農地法20条の許可(農地等の賃貸借契約の解約時に必要)権限につ
いても、知事から市町村(農業委員会)に移譲されています。
次の場合には、知事の許可が必要となっています
① 市町村外に住所のある者が市町村内の農地を取得する場合
② 農地に区分地上権を設定しようとする場合
③ 農地の権利を取得しようとする者が、農業生産法人以外の法人である
場合
<許可の手続き>
① 農地の所在する市町村の農業委員会に許可申請をします
(許可申請書と添付書類を提出)
② 農業委員会が内容を審査し、必要あるときには実地調査を行い、許可または
不許可を決定して、指令書を交付します
3) 農地法3条の許可基準 |
◎農業委員会は、農地法3条2項に基づき、許可又は不許可の判断をします。
次のいずれかに該当するときには許可されません。
※1〜3の改正点に注意
許可できない場合(例外あり) |
① 小作地の所有権を、小作農及びその世帯員以外の者が取得しようとする場合 小作地の小作農等以外の者への禁止 |
② 農地の権利を取得しようとする者またはその世帯員が、すでに所有している 耕作する権限のある農地も含むすべての農地について耕作すると認められない 場合 不耕作目的の権利取得の禁止 |
③ 農業生産法人及び農業経営基盤強化促進法第4条4項に規定する特定法人以外の 法人が農地の権利を取得する場合 ※1改正 農業生産法人以外の法人の権利取得の禁止 |
④ 農地の権利を取得しようとする者又はその世帯員が、必要な農作業に常時従事 すると認められない場合。(年間150日以上) ※2改正 農業に常時従事しない場合の権利取得の禁止 |
⑤ 農地の権利取得後の経営面積が50アール(5反)未満である場合 ※3改正 取得農地(世帯員の分も合算)の下限面積の制限 |
⑥ 小作農が小作地を第三者に貸したり、質入する場合 小作地の転貸または質入の禁止 |
⑦ 農地の権利を取得しようとする者又はその世帯員の農業経営の状況、住所地から 取得しようとする農地までの距離等からみて、効率的に利用すると認められない 場合 農地を効率的に利用するとは認められない場合の権利取得の禁止 |
〇 「小作地」とは、土地所有者以外の者が借りて(賃借権等を設定して)耕作
する農地をいいます。
〇 農地法は賃借権を設定した耕作者について、所有権等の物件を得た第三者
に対抗できる地位を保護しています。(法第18条)
〇 「小作農」とは、小作地において耕作又は養蓄を行う者(個人)のことを
いいます。
<改正農地法> H21年12月15日施行
※1・※2改正〜 農地の権利移動の規制の緩和
(農地を利用する人の確保・拡大のために)
●解除条件付きで一般法人等が農地の貸し借りが可能になった
地域によって、農地の受け手がいないなどの場合に、貸借を解除できる条件が付され、
地域の他の農業者との適切な役割分担のもとに、農業経営を継続的・安定的に行うと見
込まれる者であれば、①農作業常時従業者以外の個人、②農業生産法人以外の法人(業
務執行役員のうち1人以上の者が耕作等の事業に常時従事する)も、農地の権利(貸借)
を取得できるようになりました。
所有権の取得については、これまでどおり、「農作業に常時従事する個人」「農業生法
人」に限られます。
●解除条件付きで貸借の許可を受けた者は、報告が義務付けられた
解除条件付きで農地貸借の許可を受けた者は、毎年、その農地の利用状況(※)
を、農業委員会(農地法に基づく許可を受けた場合)、市町村長(農業経営基盤強化
促進法に基づく許可を受けた場合)に報告しなければなりません。
※ 報告内容・・・作物の種類別作付面積または栽培面積、生産数量及び反収、周辺の
農地等の農業上の利用に及ぼす影響など(毎事業年度の終了後3ヶ月以内)
●解除条件付き貸借の解除または許可等の取り消し
借り手が農地を適正に利用しない場合には、貸し手から貸借契約の解除ができ
ますが、貸し手から契約を解除されない場合や農業委員会等による勧告(農地法)、
市町村長による勧告に従わなかった場合には、許可の取り消し(農業委員会)・
農地利用集積計画の取り消し(市町村長)が行われます。 (周辺地域の農地に
支障を与えていたり、法人の業務を執行する役員がいずれも耕作等の事業に常時
従事していない場合など)
※3改正 農地の経営面積の下限要件の弾力化
(農業への新規参入を促進するため)
農地の権利取得にあたって、農地の下限面積(原則50a以上、北海道2ha
以上)の引き下げは、これまでは都道府県知事の判断となっていましたが、
これからは、地域の実情に応じて農業委員会の判断で引き下げられることになり
ました。
※その他の改正
農地の賃貸借の存続期間の特例
これまでは、20年以内となっていましたが50年以内と改正されました。
4) 農地法3条の許可が不要とされる場合 |
許可が不要とされる主なものとして、次のような場合があります。
1.国、都道府県が農地の権利を取得する場合(市町村は含まない)
2.相続により農地の 権利を取得する場合
3.遺産の分割により農地の権利を取得する場合
4.共有持分の放棄によって農地の権利を取得する場合
5.包括遺贈(遺産の全部又は一定割合を与えるもの)によって農地の権利を取得
する場合(特定遺贈の場合には許可が必要になります)
6.債務不履行等を理由とする契約の法定解除、契約の無効及び取り消しの場合
※ 契約の約定(合意)解除の場合には許可が必要となります
7.農業経営基盤強化促進法の農用地利用集積計画により、権利が設定されたり、
移転される場合
8.遺留分の減殺により権利を取得する場合
9.時効により権利を取得する場合 など
5) 農地法3条の許可申請に必要な書類 |
◎ 許可申請書に、必要書類を添付して、農地の権利の譲受人及び譲渡人が連署して
農業委員会(農地が所在する市町村の)に申請します。
◎ 知事許可についても、申請窓口は各市町村の農業委員会になります。
※ 次の場合は単独で申請できます。
・ 競売もしくは公売又は遺贈その他単独行為による場合
・ 裁判の判決や裁判上の和解、民事調停法による調停の場合
◆ 許可申請に必要な書類
◎ 申請にあたっては、一般的には次のような書類を提出します。
許可申請書(所定の様式)
添付書類 ※地域で異なりますので、あらかじめ農業委員会に確認して
おきましょう。
① 登記事項証明書(全部事項証明書・3ヶ月以内のもの)
② 住民票(農地のある市町村区域以外に権利取得者の住所がある
場合、権利取得者の全部住民票、権利譲渡人の記載住所と登記
事項証明書記載住所が異なる場合等)
③ 契約書の写し(賃借権・使用貸借権の設定の場合)
④ 営農計画書(権利取得者が新規就農者の場合、権利取得者が市町
村外の場合等)
⑤ 耕作証明書(耕作地が50アールに満たない場合で他市町村に耕作
地がある場合、権利取得者が市町村外の場合等)
⑥ 法人登記簿謄本及び定款又は寄付行為行
⑥ 申請地の位置図
⑦ 小作農の同意書(小作地を小作農以外に譲渡する場合)
⑧ その他参考資料
⑨ 委任状(行政書士に申請に係る権限を委任する場合)
※ 他、権利譲渡者の印鑑証明書を求められる場合があります。
◆ 農地等の賃貸借の解除
農地等の賃貸借の解除、解約、合意解約又は更新拒絶をするには、市町村農業委員会
の許可を受ける必要があります。許可を受けなければ 解除・解約・更新拒絶の効力は
生じません。
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