岩手遺言・相続相談センター
田村行政書士事務所
岩手家系図作成センター
〒028-3601 岩手県紫波郡矢巾町高田11-22-43
受付時間 | AM9:00~PM6:00 |
---|
定休日 | 土・日曜日、祝日 ※事前連絡の場合は 時間外・休業日でも対応します |
---|
相続開始後にできる対策について
40年ぶりの相続関係の法改正について
法定相続情報証明制度について
相続が開始した後でもできる相続対策
1.相続税の「小規模宅地等の特例」の活用
「小規模宅地等の特例」とは、被相続人の住宅や事業用に使われていた宅地等(借地権
も含む)については、一定面積まで評価額が80%または50%減額されるというもの
です。
(1)特例の対象となる宅地の要件
被相続人または被相続人と生計を一にしていた親族が、居住用又は事業用としてい
た宅地等(借地権も含む)であることが、特例の要件となっています。また、建物ま
たは構築物の敷地であることが条件になっています。
(2)減額される宅地の面積と減額割合は、誰が、その宅地を取得するか、そして、どの
ようにその宅地を使っていたかによって減額される宅地の面積や割引率が決まります。
(3)特例の有効活用のポイント
※特例の適用を検討するポイント
〇割引率の高い人が、特例の適用宅地を取得するように遺産分
割をする。
〇特例の適用宅地が複数ある場合には、地価の高い宅地から優
先的に選んだ方が有利。
〇誰が、どの宅地を、どの位の面積で取得するかで特例の効果
が変わってくる。より効果的に特例を活用するためには、専
門家に相談することが必要でしょう。
(4)参考:宅地等の減額割合が80%引きになる主な例(居住用宅地の場合)
① 被相続人が(所有し)住んでいた宅地を、被相続人と同居していた配偶者が取得
した場合、宅地面積240㎡までは80%引きの評価額になります。
② 被相続人所有の居住用宅地を、被相続人と同居の子が取得した場合で、相続税の
申告期限まで引き続き居住し、かつ、所有した場合は、宅地面積240㎡までは
80%引きの評価額になります。
2.宅地を分割して取得する
宅地は、相続人が取得した宅地ごとに評価することになっていますので、宅地が角地
であったり、二方路線価の影響を受けるような場合、分割して評価額を下げることがで
きます。ただし、同じ宅地であっても分割の仕方によって宅地全体の評価額が変わって
きますので、分割した上で、それぞれの宅地を有効に活用できるのであれば、適用を検
討してみましょう。
(注意)著しく不合理な分割であると認定されると、分割が認められない場合があります。
3.相続税の配偶者の税額軽減の活用
配偶者の税額軽減を活用することも、節税の大きなポイントになります。
配偶者が取得した財産が、法定相続分または1億6,000万円までは相続税はかかりま
せん。ただし、配偶者の取得分が大きすぎると、二次相続時の税負担がその分重くなり
ますので、その点も考慮して遺産分割することが大切です。
4.収益物件の相続は、二次相続のことを考えて
アパートやマンションなどの収益性の高い物件あるいは今後値上がりが見込まれる物件
については、二次相続時の税負担が重くなるときには、配偶者よりも子が相続する方が良
い。
民法(相続関係)改正について
知っておきたい7つのポイント
1.配偶者居住権・配偶者短期居住権が新設されました!
(2020年4月1日施行)
配偶者居住権は、遺産分割協議や遺贈、審判で認められた場合、配偶者相続人が、亡
くなった夫又は妻の名義になっている建物の所有権を相続しない場合でも、終身の間、
その居住建物に住み続けることができるというものです。
配偶者居住権は、不動産に関する権利として登記することも可能ですが、売却すること
も換金することもできませんので、将来のことも考えて選択することが重要です。
(ポイント)
自宅を「居住権」と「所有権」と分けて相続することができるので、自宅を相続した
ために、現預金が相続できなくて生活に困るということがなくなります。
配偶者短期居住権は、生涯無償で居住できる「配偶者居住権」が得られない場合でも、
一定期間は無償で住むことができるというものです。これにより、相続開始から少なく
ても6カ月間は配偶者相続人の居住権が認められることになりました。
(一定期間〜「遺産分割により居住建物の帰属が確定した日」または「相続開始から6カ月
を経過する日」のいずれか遅い日
2.配偶者は生前贈与か遺贈により、自宅を含めずに財産を多く受け取る
ことができるようになりました!(2019年7月1日施行)
次の要件を満たすことができれば、特別受益の持ち戻しの計算が免除され、配偶者は
有利に財産を受け取ることができるようになりました。(自宅は遺産相続の対象から外
れる制度)
①婚姻期間が20年以上の夫婦の夫(又は妻)が、妻(又は夫)に対して、
②居住用の建物やその他の敷地を遺贈した。
③持ち戻しの免除の意思表示があったものと推定される。
(ポイント)遺贈分が特別受益に含まれないので、その分多く相続できる。
3.被相続人の口座が凍結されても、一定額を引き出すことがで
きるようになりました!(預貯金の仮払い制度)
(2019年7月1日施行)
従来は、死亡すると被相続人名義の預貯金口座は凍結され、残された家族が葬儀費用
などの支払いに困る、ということがありましたが、改正法により、遺産分割前でも、単
独で、一定額を引き出すことができるようになりました。
※一定額は下記のとおり計算します。ただし、金融機関ごとに引き出せる額は150万円
が限度とされています。
一定額=相続開始時の預貯金額×1/3×その共同相続人の法定相続分
4.自筆証書遺言の方式が緩和され、自筆で遺言書が作りやすくやすく
なりました!
◎法務局で保管もしてもらえる制度ができて安心です。
◎法務局の保管制度を利用した場合は、家庭裁判所の検認手続が不要に
なりました。(2019年1月13日施行、保管制度2020年7月10日施行)
①財産目録について
自筆証書遺言は「全文の自署」が要件とされ、大きなハ―ドルとなっていましたが、
財産目録(遺産の明細書)については、次の方法が認められることになりました。
〇パソコンで作成すること
〇不動産の登記事項証明書を添付すること
〇預貯金の通帳口座のコピ―を添付すること
(注意:財産目録の各頁には遺言者の署名押印が必要)
②自署によらない財産目録の加除訂正について
自署によらない目録を用いた加除訂正は可能ですが、自署による加除訂正の方法と
同様の厳格な定めがありますので、十分な注意が必要です。
③保管制度について
自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度ができ、偽造、変造等の心配も無く
なり、また紛失・滅失のリスクも回避できることになりました。しかも、家庭裁判所
の検認も不要という大きなメリツトがあります。
《保管制度の申請手続》
➀遺言者が所在地もしくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する
遺言書保管所に自ら出頭して自筆証書遺言の保管を申請しなければなりません。
➁申請書に必要事項を記載して自筆証書遺言(無封で)とともに提出する。
➂遺言者の本人確認が行われる。
④遺言者は保管された自筆証書遺言をいつでも閲覧できますが、遺言者が自ら出頭し
て手続きを行う必要があります。
《保管申請の撤回について》
➀保管申請のされた自筆証書遺言について、遺言者はいつでも、遺言の方式に従って、
遺言の撤回をすることができます。
➁撤回の申請をするときは、撤回書に必要書類を添付して、遺言者が自ら出頭して行う
必要があります。
《遺言者が死亡後の手続きについて》
●遺言者が死亡した後で、相続関係人等は、遺言書の有無について調査することができ、
遺言者情報証明書の交付及び遺言書の閲覧請求をすることができます。
《保管制度を利用した自筆証書遺言は検認手続が不要》
●自筆証書遺言の保管制度は、遺言書の紛失、隠匿や変造を防止するための制度である
ため、保管制度を利用した場合は、検認の手続きは不要となりました。
✅遺言書保管制度の利用の仕方(遺言書の作成から保管申請まで)
✅遺言書保管制度の利用の仕方(保管後に利用できること)
5.遺留分制度の見直しがありました!
請求権の名称も「遺留分減殺請求」から「遺留分侵害額請求」に変更されました!
(2019年7月1日施行)
法改正により、生前に受け取った贈与などの「特別受益」は「相続開始前10年間に
限る」扱いになり、請求できる額が明確になりました。従来は何年前のものでも遺留分
額に算定できるため、トラブルの原因になっていました。
また、遺留分権利者が行使できるのは、受遺者(受贈者)に対して金銭の支払いに限
られることとなり、目的物が共有になるということが避けられるようになりました。
6.法定相続分を越える権利を相続した者は、法定相続分を超える部分
について第三者に対抗するためには、登記や登録の手続きが必要とな
りました。
また、相続債権者の立場も明確になり、法定相続文と指定相続分のどちらかを選択し
て請求できるようになりました。さらに、相続債権者の立場も明確になり、法定相続分
と指定相続分のどちらかを選択して請求できるようになりました。
(2019年7月1日施行)
7.相続人以外の者の貢献を認める制度ができました!
相続人以外の者が、被相続人を無償で療養看護したり介護したことで、被相続人の財産
の維持や増加に貢献したと認められた場合
は、相続人に対して「特別寄与料」として金銭を請求できるようになりました。
(2019年7月1日施行)
法定相続情報証明制度
平成29年5月29日から、全国の登記所(法務局)において、各種相続手続きに
利用することができる「法定相続情報証明制度」がスタ―トしました。この制度を利
用することで、各種の相続手続きの度に、戸籍謄本の束を提出する必要がなくなりま
す!
ポイント
相続手続先がいくつもある場合にお勧めです!
相続手続きを同時に進めることができ、手続きにかかる時間を大幅に短縮することが
可能!
《 申し出から利用までのながれ 》
1.郵送の申出も可能
各種証明書(※1)と作成した申出書・法定相続情報一覧図(※2)・申出人の
氏名・住所を確認することができる公的書類(※3)を添えて、法務局(※4)に
提出します。
2.申出人となれる者
①法定相続人、②法定代理人、③民法上の親族、④資格者代理人(弁護士・
司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・
行政書士)
3.確認・交付
①法務局で確認し、法定相続情報一覧図を保管します。
②認証文付き法定相続情報一覧図の写しの交付します。
③戸籍謄本等を返却します。
《法定相続情報一覧図の写しの扱い》
・相続手続に必要な範囲で複数枚発行可能
・保管期間(5年)中は再交付も可能(ただし当初、申出をした者に限る)
4.各種の相続手続先に利用
戸籍謄本の束の代わりに相続手続先(銀行・法務局等)に提出します。
1(必要な証明書)
①被相続人の「出生から亡くなられるまでの連続した戸籍謄本及び除籍謄本
②被相続人の「住民票の除票」
③相続人全員の「戸籍謄本又は抄本」
2(申出書・法定相続情報一覧図) 法務局ホ―ムペ―ジに掲載
3(公的書類)運転免許証のコピー・マイナンバーカ―の表面のコピ―・住民票の
写しなど
4(提出先法務局) 次の地のいずれかの法務局
①被相続人の本籍地
②被相続人の最後の住所地
③申出人の住所地
④被相続人名義の不動産の所在地
お電話でのお問合せ
<受付時間>
AM9:00~PM6:00
※土・日曜日、祝日は除く
※事前連絡の場合は時間外・休業日でも対応します
フォーム準備中