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相続時精算課税制度について

 1.制度の概要と適用要件、適用申請のしかた

 2.制度の適用を受けた場合の贈与税の計算方法

 3.活用のポイント

 4.「住宅取得等資金贈与の特例」と「住宅取得の相続時精算

   課税の特例」の併用

 5.暦年課税との比較

 6.相続との比較

1.相続時精算課税制度 

 ◎制度の概要  

     この制度は、一定の要件を満たす場合に、受贈者の選択によって、贈与時に贈与税

 を申告・納付して、贈与者が死亡した時に贈与を受けたすべての財産を相続財産に加算

 して計算した相続税から、すでに納付した贈与税を控除するというものです。

  つまり、贈与を受けたときには贈与税を納付するが、贈与者が死亡して相続が 発生し

 た時には、相続税で精算するというものです。 

  この制度の適用を受けた場合には、特別控除2、500万円が適用され、その額を超え

 る部分に対しては一律20%いう低率の贈与税が課税されます。

  この2,500 万円という控除額は、贈与者の相続が発生するまでの間に通算して適用を

 受けることができ、2,500万円の範囲内であれば、何回でも、何年にわたって贈与されて

 も贈与税は課税されません。 しかも、この制度は贈与者ごとに適用されるため、二人か

 ら贈与を受けてこの制度を選択すれば、特別控除額は合わせて5,000万円になります。

  法改正により、令和6年1月1日以降は、従来の2,500万円の特別控除枠とは別に、

 暦年課税の年110万円の基礎控除の枠が加わり、申告も不要となります。

 

 ◎メリット

  ➀最適な時期を選んで、一度にまとまった金額を贈与できる

  ➁早期の財産贈与で、子や孫が財産を有効に活用できる

  ➂相続税の心配のない人は安心して利用できる

  ④土地や株式など将来値上がりしそうな財産を贈与すれば相続税対策になる

   (贈与した時点の価格で相続財産に取り込まれるため)

 ◎デメリット

  ①一度、この制度の適用を受けると、同じ贈与者からの贈与については相続時まで

   継続し、暦年課税方式にもどることはでません。

  ➁生前贈与しても相続財産の減少につながらない(相続時に加算されるため)

  ➂小規模宅地等の特例の対象とはならない

  ④遺産分割協議で争いの対象になる

  ➄両親や祖父母からの贈与は少額でも申告が必要

 

 ◎要件 

  ①贈与者〜60歳以上の父母・祖父母 

  ②受贈者〜18歳以上の子または孫

   ※年齢は、その年の1月1日現在

   ※養子や認知した非嫡出子も対象

  ③申告〜贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告書に「相続

      時精算課税選択届出書」を添付して、税務署に提出する。相続時まで!

 

 ◎相続時精算課税制度適用申請のしかた 

   相続時精算課税制度の適用を受けるためには、税務署所定の「相続時精算課税選

  届出書に添付書類を添えて、贈与税の申告書と一緒に提出しなければなりません。

 

  ①届出書の主な記載事項

   イ、受贈者の住所・氏名・生年月日、特定贈与者との続柄

   ロ、特定贈与者の住所・氏名・生年月日

 

  ②添付書類

   イ、受贈者の戸籍謄本(又は抄本)と戸籍の附票の写し

   ロ、特定贈与者の住民票の写しと戸籍の附票の写し

 

  ③提出期限

   「相続時精算課税選択届出書」は、贈与税の申告期限までに、贈与税の申告書に

   添付して提出します。

 

  申告期限までに届出書を提出しないと、相続時精算課税の適用を受けられなくなり

 ますので注意してください。

 

  ④贈与税の申告期限

    贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに行います

 

2.相続時精算課税の適用を受けた場合の贈与税の計算方法

 ◎1年目に800万円、2年目に1,000万円、3年目に1,000万円贈与を受けて1年目

  から相続時精算課税の選択をした場合

 

 <1年目>課税価格800万円−特別控除額800万円=0円

 

 <2年目>課税価格1,000万円−特別控除額1,000万円=0円

 

 <3年目>課税価格1,000万円−特別控除額700万円=300万円

       300万円×20%=贈与税60万円

     ※2,500万円を超えると、一律20%の税率で課税されます 

 

   このように、贈与税の計算をするには、毎年の受贈額と累積額を把握しておく必要

  がありますので、 自分できちんと管理してしておきましょう。

 

 ★贈与者の相続開始時に加算される贈与財産の価格について

 

   相続開始時に、相続財産に加算される贈与財産の価格は、相続時の時価ではなく、

  贈与時の時価によるとされています。このため贈与時よりも相続時に値上がりして

  いた場合には、値上がりした分だけ、相続税が課税されませんので有利になります

  が、逆の場合には不利になりますので、贈与する財産についても慎重に判断する必要

  があります。

 

 ◎「相続時精算課税制度」の留意点

 1、選択制になっていること

   受贈者が兄弟別々に、贈与者の父・母ごとに選択が可能です。

   例えば、父からの贈与は、「相続時精算課税」を選択するが、母からの贈与につ

  いては、選択しない(通常の暦年課税)ということができますし、逆に選択すること

  もできます。

   また、父母双方からの贈与ともに、「相続時精算課税」を選択することも可能です

  し、父母双方からの贈与について、「相続時精算課税」を選択しないということもで

  きます。

 2、選択しない場合には、通常の贈与(暦年課税)となる。

 3、贈与財産は、種類、金額、贈与の回数に制限はありません。

 4、「相続時精算課税」を選択すると、相続時においては、今までに贈与を受けた財産

  全部に相続財産を加えて計算した相続税額から、既に支払った贈与税額が控除されま

  す。贈与税額の方が多い場合には還付されます。

 

3.相続時精算課税の活用ポイント

 

 ①値上がりが見込まれる財産は早いうちから贈与すること

   値下がりすると余分に相続税を支払うことになるので、贈与する財産については、

 値上がりの確実なものについて贈与するというようにしなければなりません。このため、

 贈与財産の選択は、慎重に判断しましょう。

 

 ②運用収益を得られる財産から贈与すること

   たとえば、賃貸収益の得られる不動産(貸家、アパート、貸事務所など)や利息・

 配当の得られる有価証券などを贈与することによって、相続税の節税になると同時に

 運用収益を納税資金として活用できるというメリットがあります。

 

 ③一度に多額の財産分けが可能となるので、必要な場合には、早めに贈与すること 

   2,500万円の特別控除があり、また、2,500万円を超えて贈与しても、税率が一律20%

 と低率になっているため、多額の財産を贈与することができます。

  遺産総額をみて相続税がかからないと思われるが、今のうちに贈与したいという理由

  がある場合は、贈与税分を節税できるので、相続時精算課税制度をうまく活用しまし

  ょう。

 

4.「住宅取得等資金贈与の特例」と「住宅取得の相続時

  精算課税」との併用

 

 ◎住宅取得等資金贈与の特例  

   住宅 取得や増改築などの資金については、満20歳以上の人が直系の父母や祖父

  から贈与を受けた場合には非課税措置が設けられ大幅に緩和されています。ただし、

  贈与の年の翌年3月15日までに申告しないと適用されません。

  一定の住宅の新築、購入、増改築など(住宅等の敷地である土地等を含む)の代金と

  して支払い、贈与された翌年の3月15日までにその住宅を居住に使用しなければ適

  用されません。  贈与の時期と住宅の取得時期に注意!

 

 ◎住宅取得のための相続時精算課税の特例 

  親から住宅購入資金の贈与を受けても、2,500万円までは非課税となるという特例。

  ただし、親の相続時には、贈与された財産(資金)は相続財産に加算されて相続税

 が計算され、すでに贈与税を支払っている場合には相続税から控除されます。一般の

「相続時精算課税」とは異なり、親の65歳以上という年齢制限はありません。

  一定の住宅の新築、購入取得、増改築など(住宅等の敷地である土地などを含む)の

 対価として全額を支払い、贈与を受けた翌年の3月15日までにその住宅を居住に使用

 することが要件となっています。

  この「住宅取得のための相続時精算課税の特例」を受けるためには、特例を受ける旨

 を記載した「贈与税の申告書」に「相続時精算課税選択届出書」を添付して、期限内に

 提出しなければなりません。

 

 〇受贈者の要件

  1、住宅取得等資金の贈与をした人の直系卑属(子や孫)である推定相続人である

   こと

  2、住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する1月1日において20歳以上である

   こと

  3、国内に住所を有すること、国内に住所を有しない一定の人であること

  4、配偶者や親族など一定の特別な関係がある人からの住宅の新築、購入、増改築

   でないこと

   ※ 贈与者である父、母ごとに選択ができます。

     父から2,500万円、母からも2,500万円まで非課税で贈与を受けることが可能

 

 〇対象となる住宅

  A.新築住宅の場合

   ①床面積(専有面積)が50㎡以上(住宅の用に供されている土地・借地権を含む)

   ②店舗併用住宅は2分の1以上が住宅部分であること

 

  B.中古住宅の場合

   ①床面積(専有面積)が50㎡以上(住宅の用に供されている土地・借地権を含む)

   ②マンションは25年以内、木造は20年以内に建築されたものであること。この

    年数を超えている場合は、その住宅が耐震基準に適合されたものである証明が

    必要

   ③建築後住宅として使用されたものであること

   ④店舗併用住宅については、2分の1以上が住宅部分であること

  C.増改築の場合

   ①増改築の工事費用が100万円以上になること

   ②床面積が50㎡以上の家屋に対する増改築であること

   ③店舗併用住宅については2分の1が住宅部分であること

   ④工事費用の2分の1以上が住宅部分の費用であること

 

 

 「住宅取得のための相続時精算課税の特例」の贈与税の計算方法

  税額=(その年にその親から取得した贈与財産の価額の合計―特別控除額×20%

 

「住宅取得等資金贈与の特例」との併用が可能!

   最大で、3,500万円(2,500万円+1,000万円)まで贈与税が非課税

  ただし、相続時精算課税の特別控除に係わる財産は、贈与者の相続時に相続財産に

 合算されます。また、その後に、その親からの贈与を受けた場合には親の年齢が65歳

 未満であっても相続時精算課税が適用されることになります。

 

5.暦年課税との比較

       相続時精算課税       暦年課税 
贈与者  満60歳以上の親 又は祖父母 年齢についての制限なし 
受贈者  満18歳以上の子または孫     同上 
控除額 

特別控除額 2,500万円

(相続時までの累積、贈与者ごと)

※令和6年1月より毎年110万円の

 基礎控除枠を適用 

基礎控除額 年間110万円 
税率 一律20% (特別控除を超えた部分) 超過累進課税 (10~55%)
贈与税の申告 

制度選択後の贈与すべて申告 

※選択した場合、贈与された財産が

 110万円以下は不要(令和6年1月

 以降) 110万超は必要

基礎控除を超える場合のみ 
相続税との関係 

贈与額は相続財産と合算して相続税と

精算 

相続開始前3年以内の贈与を

合算して相続税を計算する

贈与額 一度に多額の贈与が可能 

一度に多額の贈与をすると

贈与税の負担が大きい 

贈与税の精算 

相続税と精算して納付した贈与税が

過大のときは還付される

       − 

 ※ 年齢は1月1日現在

6.相続との比較

     相続時精算課税     相続する場合 
財産の移転の時期 贈与者の任意で決定  突発的に発生(通常) 
財産移転時の世代 

60歳以上の親から25歳〜

40歳代の子 へ贈与

80歳代の親から50歳〜

60歳代の子が相続 

遺産分割時の紛争の

度合い 

     少ない       高い 
税率 一律20%(特別控除額超の部分に) 超過累進課税 
物納制度        なし      あり 
不動産取得税      課税あり     課税は免除 
登録免許税(登記時)       高い       安い 

◎「相続時精算課税制度」を活用することによって、早い時期に比較的多額の財産を若い

  世代に移すことが可能になります。贈与によって早い時期に移転できた財産は、若い

  世代にとっては、同じ財産でも利用価値に大きな違いが出てきます。

 

 相続税・贈与税の詳細については、税の専門家(税理士他)にご相談ください


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